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MeDuにて新作「ラストサムライ」公開しています。無料公開です(リンク

もう6本目なのか、もしくはまだ6本しかないのか、この2つは同じようで全然別の態度だよ。どうして「まだ」って思えないのかな〜。というような説教を昔、貧相な餃子屋で聞いたことがあります。得意そうに語ってましたね、全然知らない人が。

この作品は最初「さーくるキッズ」というタイトルで、園長を主人公に考えていました。「厳しく正しい園長 vs けったいな男・鎌田」という構図で考えていて、ギスギスした話を構想していました。そのまま進めて行くとラストはどうしても血なまぐさいものになる雰囲気だったのですが、前回の「STORM」で暗い話を描いたので、今回はもっとライトサイドに寄せようと思いました。

そこから話をこねだして、保育士たちを登場させて鎌田と対立する役を園長から移し、園長は両者の間に入る緩衝剤(両者の愚痴を直接ぶつけ合わないようにする役)になってもらいました。こっちの方が実際の園長の仕事らしい気がしますし。大変そうですが。

さらに子供たちにも出てきてもらい、鎌田や保育士、保護者との関係性が立体的になるようにしました。立体的というのは、それぞれがお互いに立場があってつながりを持っているということです。特に園児ハルトと鎌田の関係は、描いているとだんだん映画「パーフェクトワールド」や「グラントリノ」を連想するようになり、鎌田の顔がイーストウッドに見えなくもないぞ、と本気で思うようになりました。これは、自分が去年イーストウッドの映画が盛り上がって、立て続けに観た興奮がずっと尾を引いている錯乱気味の精神状態というだけでしょう(「運び屋」もまさかって感じで最高だった)。

鎌田はもともとは眼鏡をかけた気の弱そうな(でも目つきがちょっとやばい)腹の出た中年男をイメージしていました。ただ「ちゃんばらをする」というアイデアがあったので、そのシーンの参考にと平田弘史先生の作品を読んでいるうちに、ご本人のインタビューに関心が移り、そのまま鎌田のイメージになっていきました。目尻の下がった細い目や、ちょんまげ風に結わえた髪型はそこから来ています。

そのおかげで鎌田はずいぶんカラっとした人物像になり、ストーリーの重点も彼に移って行きました。そして描き上げたあと読み返すと、どう考えてもタイトルはこれしかない、と思い「ラストサムライ」になりました。スタートとゴールでかなり印象が変更した作品です。

また、保育園を舞台にしましたが、「保育所」「幼稚園」と何が違うのかも分からない上に、現場の風景も幼少期のかすかな記憶しかないので、小さな子供のいる知り合いらに話を聞いたり、写真を見せてもらったりしました。その中で子供のケンカやケガについて聞いたところ、「うちの子はこの前、腕に血がにじむくらいの歯形つけて帰ってきましたよ」という返事があって、「ウォーキング・デッドじゃん」と思いました(観てませんが)。

MeDuではあと2本掲載される予定です。バッチり決めますんで、気長にお待ちください。

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