9月日報

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(写真は今年の盆休みに撮ったもの)

このひと月は会社の方の仕事が忙しくて、げっそりしたまま家に帰りビールをあおって寝るだけの毎日だった。とは言ってもいつもと違い、なんばを経由する通勤だったのでスキを見てレイトショーに通い映画を観ていた。「ベイビー・ドライバー」「エル」「三度目の殺人」「オン・ザ・ミルキー・ロード」を観た。「〜ミルキ・ロード」はビールを買うと50円キャッシュバックだったので嬉しかった。クストリッツァ監督の計らいだと思いたい。
それぞれの感想を書くのはしんどいので省くけれど、この中だと「エル」が一番面白かった。どれだけドライでヘビーでも笑える作りのものがいい。
あと、DVDで黒沢清の「CURE」を観た。いまやってる「散歩する侵略者」に行きたいのだけど、どうも時間がとれず代わりに観た。萩原聖人の演じるキャラクターが記憶障害ということで、言った側から話を忘れる男で、観ててすごくイライラした。最後まで見ると物語の構造的にそれも演出なのか〜と思うので、すげえ(萩原聖人はイラつくやりとりをしながら話す相手に催眠をかけて殺意を解放していく、っていうネタ。つまり観客に対しても同じ作用が?)。

話は変わって、自作「エンディングテーマ」について。作品にどういう意図とかは自分からあまり言う必要はないし、「解説」で十分語られているので、読んでくれた方にボーナストラックという感じで、制作のウラ話を。

「エンディングテーマ」内でイルな存在感を放った竹田について。彼には特にモデルとかはなくて、「自分の知識を若い人に得意げに語りたがる中年」というイメージのキャラクターです。そうやってうっとうしく語るシーンを描いたのですが、うっとうしすぎてカットしています。

彼の見せ場は、屋上でサックスを吹きまくるシーンだと思っていますが、描いてて難しいシーンでした。彼はジャスバンドを組んでいる設定なんですが、作者の僕がジャスを全然聴かないのでイメージできない。友人が大学のジャズ研にいてサックスを吹いていた、ぐらいの関わりしかなくて(しかもその友人は関東で暮らしてて交流がない)、どうしたものかと話を作っていざ絵にする段階で途方に暮れてしまいました。そこでイメージしたのがジェームス・チャンスという人です。サックスプレイヤーとしてその友人以外に思い浮かぶ人間がこの人で、だからと言って特に何かを知ってる訳でもなく、「No New York」というコンピレーションアルバムの冒頭をメチャクチャなサックスのブロウとシャウト(とダンス)で飾る人です。竹田の屋上プレイはこのイメージで描きました。伝わらねーだろうなー、という無力感でこんな記事を書いています。
(james Chance & The Contortions – Dish It Out)

あと、サックスを描くためにネットで画像を検索したのですが、「どんな悪魔的な人間が作ったのか」と思うくらい複雑な作りで、どれだけ画像を見ても構造を理解できまでんでした。一体どんなからくりであんな音を出せるんだ? どこまで音階を調節できるんだ? そんな感じで混乱しながら、いつもの美容室に散髪に行くとマンガ「Blue Giant」が置いてあるではありませんか。主人公がサックスプレイヤーでジャズのマンガです。「うおお、最悪このマンガのサックスシーンをパクるしかねぇ」とサイドを刈り上げられながら思いましたが、よく見るとこのマンガでもサックスの複雑な構造は幾分省略(ごまかし)して描いてあるように見えました。マンガにはそういった「ごまかし(省略)とはったり(誇張)」の文化というものがあります。僕も「ああ、そこらへんは雰囲気でいいじゃん」と開き直ってあのシーンを描きました。

サックスをやたらと「ビービー」とブロウするのは下品と言われるみたいですが、僕が人生で数回目撃した公園とか河原でラッパを吹いてるおじさんは、周囲の視線はお構い無しに(見過ごした何かを取り戻すように)吹き散らしていたので、ジェームス・チャンスのようなブチ切れ感が出ればと思っていました。

最近はガボガボとビールを飲みながら次のマンガの作業を地味に進めているので、また形になれば嬉しいねえ。
予備知識ゼロで「月曜日の友達」というマンガを読んだのだけれど、鳥肌が立った。絵も話もこんなレベルでやってるんか!て衝撃。背景の書き込みの濃度がすごい。あそこまで描く絵はおそらく「くどい」レベルなのだけれど、この作品ではギリでその線を回避している。ひとつは人物をいわゆるマンガ描写にしていて、主人公を始め人間の絵を単純な記号(マンガ)的描写に落とし込んでいるので、基本的な視線がブレない(かつジブリ映画ぐらい生き生きと動く)。そしてもう一つは、その中で背景の描写がやたらと精密なのだけれど、昨今の写真をそのままトレースしたり画像加工したような絵ではなく、あくまで「マンガ」の絵で描いているから、その二つが違和感なく調和して眼に映る。そして、そういう絵柄だからこそ、主人公の心情に迫って行くシーンでの効果的な描写(硬い文章&空想的な絵)がすんなりとハマる。
この完成度は、いわゆる「マンガ」表現を煮詰めた先の一滴だと思う。並べるなら、こうの史代の「この世界の片隅へ」や高野文子の「黄色い本」と同類の濃度というか熱さというかヤバさだ。正直スゲー、スゲー。作者の別の作品も探すぜ。「負けねーぜ」とか強がり言う前に一読者として素直にスゲー。

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9月日報

コミティア雑感

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8月20日のコミティアに行ってきました。眠くてボンヤリしてたんですが、興味をもって見にきてくれたり、去年買ってくれた人がまた来てくれたりして嬉しかったです。ありがとうございました。

こういうイベントは、「何か掘り出しモノないかな?」と探しに来る方も多いと思うので、そういった方にアピールできたら自分の作品も広がるのでは、と考えてますが、そういうことが出来てるのかどうか分からないな、とか考えて座っていました。最後の1時間くらいはもう撤収を始めるブースも出てきて閑散としてくるので、そういうネガな方向に考えが行ってしまう。

そんななか少し前に「エンディングテーマ」を買ってくれた方が、「面白かった」と伝えに戻ってきてくれて、ようやく「描いてよかった」と思えた。手に取ってくれた人にとどくようなものを作りたい。

そのあと東京に一泊して、営業。中野にあるタコシェに「エンディングテーマ」の取り扱いをお願いしてきました。関東で興味のある方は冊子の実物が見れますので、ぜひお立ち寄りください〜。

タコシェ

 

追記:大阪に戻る前に六本木に寄って「ジャンプ展」を観てきた。たくさんのマンガ原画が展示してあって興奮したが、印象に残ったのは車田正美、鳥山明、新沢基栄が印刷で見るのと全然違う迫力があった。あと江口寿史は別格というか別物みたいな絵を描いていると思った。すげ〜。

コミティア雑感

「エンディングテーマ」販売情報

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新作「エンディングテーマ」の販売についてです。
現在「STORE」での通販の他に以下の3店舗で取り扱いいただいてます。

ホホホ座

FOLK old book store

シカク

本日納品を済ませてきましたが、お店の都合で店頭に並ぶのに多少時間がかかる場合もあるそうなのでご了承ください。「実物を見てみたい!」という人はぜひお店まで足を運んでみてください。どのお店もいい本揃ってるのでムダ足にはならないはずです。また見てきた感じではまだ前作の「SHITTY GIRL」や「桂浜へ」も多少残ってたので、あわせて要チェキでござんす。

また、8月20日(日)のコミティア(東京)にもこの新刊を持って出店しますので、興味のある方はよろしくお願いします。ブースは「V01b」になります。「東京まで行くのとかしんどいぜ〜」とか言ってますがなんだかんだで楽しみにしています。

「エンディングテーマ」販売情報

新作「エンディングテーマ」

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お待たせしました。ついに完成した2017年のマジ新作。このブログでずっと作業報告していたマンガがようやく形になりました。腰痛のGWから始まって約3ヶ月、思い返せば本当にこの作業しかしてなかった。やり終えた今はさぞかし自由に遊んでいると思うかもしれませんが、もともと仕事以外にやること何にもない人間なので、カーテンを買い替えたりしています(寸法間違えた)。

新作のタイトルは「エンディングテーマ」。閉店の日をむかえた古本屋の物語です。詳細&購入は通販ページ〈こちら!〉からどうぞ。

新作「エンディングテーマ」

作業完了日報

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ようやく新作マンガ冊子を印刷所に入稿してきた。刷り上がりを見るまでは不安なので、達成感はないけど、3ヶ月かかった作業がひと段落したので、ほっとしておきたい。

ページの増加で、前と同じ印刷会社を利用できなかったこともあって、単価が上がってしまった。そのぶん内容はキチンと作り込んだし、会社ではとんと見せなくなった粘り腰で、できることは全部やった。少なくても「まあこれでいいか」と(以前なら)ほどほどで手を放した箇所は全部潰した。ちゃんとしたクオリティーのものが作れたと思う(誤字脱字はあっても見逃して!)。

まあ、製品が上がってくるまではなんとも言えませんが、自信はあるので、もう少しお待ちください〜。

写真は入稿後、ひとりビールをあおるの図。

作業完了日報

もうすぐ完成 日報

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しばらく間がありましたが、次作マンガの制作作業は一通り完了しました。いろいろ詰めてかかったぜちくしょう。表紙のデザインも決めて、あとは入稿するだけなんすが、増えたページのせいでいつもの印刷所では対応してないらしく、急遽別の会社を探す。色々見つかるけど値段がハイヤーだったり、希望の仕様にならなかったりで難儀してます。ホント色々メンドくさい。もんどり打ってる間にもう少しやりたいことが湧いてきて追加で手間取っています。

今回もマンガの解説をいつもの方に頼みました。いろいろ直しを入れたせいでギリギリになった原稿を渡して、タイトな期間で書いてもらいました。注文ゼロのフリースタイルな解説文をお願いしたんですが、2600字を超えるなかなかな熱量の評論が届いたので校正を繰り返しつつ、できるだけ勢いのまま掲載したいと編集作業を続けています。諸々あってもう少しかかりますが、ゴールは見えてますんでもう少しお待ちください。

夏が本気になってきて、朝の通勤だけで暑さにやられるのでiPhoneのミュージックリストを2017夏仕様に作り変えた。こんなことでもしないと乗り切れそうにない今年のサマー。オぇ。

もうすぐ完成 日報

6月日報 2

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もう6月も終わりだ。今月はひたすらペン入れをしていた。37ページまでやった。残り12ページ。次の週末でケリをつける。

スズメの涙みたいなボーナスが出た。自分のような独りモンにはボーナス自体がおこづかいみたいなものなので、全額一気につかってやりたいが、買い物に行く時間がない。ペン入れが終わってもまだ作業は続くので、黙々とやるしかない。

Vシネ版の「呪怨」を観た。映画の前にビデオで出てたと知らなくて、初めて観たんですが、ゾクゾクするほど面白かった。直接的なビックリ恐怖と、イヤ〜な引き、生理的な嫌悪感、露骨な暴力とか狂気。それがビデオの荒い映像で妙になまなましく、「ヤバいものを観ている」感じがした。

前に人に「なんでホラーが好きなのか?」と聞かれて「物語とかお話しの基本要素だと思うから」と持って回ったような答えをしたが、本当はたんなる「怖いもの見たさ」なだけだと思う。小さい頃に、大人がふざけて聞かせた作り話に夢中になった感覚だよな、とか思うわけよ。つまり幼稚なセンスってワケ。

6月日報 2